※平行ニコルの顕微鏡写真:全て偏光の振動方向は画像の左右方向(⇔)

モンチセライト monticellite [戻る
CaMgSiO4

斜方晶系 
二軸性(−),2Vx=80°前後 α=1.639〜1.654 β=1.646〜1.664 γ=1.653〜1.674 γ-α=0.012〜0.020
通常のかんらん石(苦土かんらん石)よりも干渉色がかなり低い

色・多色性/無色で多色性なし。

形態/
他形粒状が多い。

消光角/短柱状のものは伸び方向に直消光だが,他形が多く消光角は規定できない。

伸長/他形が多く規定できない。

へき開
/ほとんど認められない。

双晶/通常は単晶。まれに(0 2 1)などの双晶が存在し,消光状態で認められることがある。

累帯構造/しばしばMg⇔Feの置換による累帯構造があるが光学的には確認しにくい。

産状

カーボナタイトや,まれにキンバレー岩や高温生成スカルンに産するやや特殊なかんらん石。ケイ酸に乏しい条件ででき石英とは共生しない(通常のケイ酸分に富む環境では透輝石が生成する)。肉眼では灰褐色で,やや変質したものは黒灰色。不定形粒のことが多い。
鏡下では割れ目や周囲に沿って灰色半透明や黒色不透明な微粒鉱物に変質していることが多く,変質鉱物としてはtochilinite
:4FeS・3Mg(OH)2などがある。



高温スカルン中のモンチセライト  広島県東城町久代
Mon:モンチセライト,Ge:ゲーレン石,Spr:スパー石,And:灰鉄ざくろ石
高温スカルンの形成時にゲーレン石やスパー石などとともに高温スカルン鉱物としてできたもの。通常のかんらん石(苦土かんらん石)よりも干渉色が低い。割れ目に沿い黒色不透明のtochiliniteなどの変質鉱物ができている。